この前しょーへいが研究テーマ書いてたから、そろそろおがも触れておこうかな。
僕ら二人は東京医科歯科大学の寄生虫病学分野からガーナに派遣されている学生です。「寄生虫」というと気持ち悪いとかちょっと抵抗感を持つ人も多いかもしれません。日本では何十年も前から比べると症例も少なくなってきている中で、今更なぜこんなことを勉強するのかって思うこともあるでしょう(特にテスト前だよね、わかるわかる笑)。
でも考えてみてください。
今の1000円札の顔どなたか知っていますよね。そう、この研究所のモデル、野口英世。彼が今から100年も前の1920年代、ここガーナにて研究し命を落としたのが黄熱病です。現在では、すでに原因となる黄熱ウイルスや蚊が媒介するという感染経路などは判明していて、そしてなにより一度打てば生涯有効とされる優秀なワクチンが広く普及している状況です。
じゃあもう今の世の中黄熱で死ぬわけないじゃん、なんて思いませんか。
それでは実際何が起こっているのか見てみましょう。
アフリカのアンゴラという国では昨年12月からの半年間で約3000件の疑わしき事例が報告され、うち119人の死者が出ています。ここガーナでも今年に入って3つの州で感染が確認され、死亡例もあるようです。
(WHO “Yellow fever situation report –
Angola”
http://www.who.int/emergencies/yellow-fever/situation-reports/29-july-2016/en/)
このグローバル化の時代、病気に国境はありません。エボラのように地方の風土病に過ぎなかったものも、何かの拍子に世界中を震撼させることがあるかもしれません。そんなときに、この寄生虫病学が何か役に立つこともあるのでは、と僕は考えています。
すいません、前置きが長くなりましたね…でもどこかで書こうと思っていたことなので、最後までお付き合いしてくれるとうれしいです。
ではお待たせしました。僕の研究テーマ紹介です!
ここからは写真も交えていくので、気楽にアフリカの村でのフィールドワークを見ていってください!
僕は小児の下痢症の原因となるものについて、寄生虫学的な面から探っています。
またまた目を疑うような話ですが、小児の死因のトップ3に下痢症(直接的には下痢が引き起こす脱水症状)があります。下痢で子供が死ぬんですよ、信じられますか?残念ながらまだそういう世界がここにあるのです。
下痢症を引き起こす寄生虫のうち、小児にて重症化しやすい「クリプトスポリジウム」という生物に焦点を当てて、現在Dorgoborneという村に通い続けて住民のみなさんのご協力のもと調査しています。
ところでアフリカの村というとどういうイメージでしょうか?
まずね、誰かが作った道なんて甘いものはない!道は自分で切り開くものだ!
車酔いのひどいおがはもういつもげろげろですよ(笑)
まずは村長さまにご挨拶、ご説明、ならびに調査許可のお願い。
ご理解、ご協力ありがとうございます!
ということで、いよいよフィールドワーク開始です!
先述のクリプトスポリジウムですが、これは水の中にいる寄生虫なので、普段の生活ではどこのどんな水を使っているのかアンケートしてみました。
ちょっと待って、えっ、まさかの水道あるよ!
今年に入って完成した、ピッカピカの水道!
しかしあくまでここはアフリカ、(ご期待通り!?)この水道、最近調子悪くて一滴も出ないから、もう誰も使わないそう。これじゃあ意味がないよね。
現地のニーズをきちんとくみ取る、そしてメンテナンス等で機能維持を続ける。独りよがりでない、真に必要とされる支援にするために不可欠、でも最も難しいところですね。
じゃあみんなどこの水使ってるの?
この池だって。本当に?
本当でした。わーお…
ということでここの水を10L持って帰り検査しました。
果たしてこの中にクリプトスポリジウムは見つかってしまうのか?
そしてこの結果と小児の健康状態を照らし合わせて、関係性があるのか?
続きはプロセメ発表会にてお楽しみに!
では!
最後に元気いっぱいの村の小学校の子供たちとともに
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